プロの眼

 『気付き』

 それが私のキーワードです。

元動物看護師として動物を看る上で、一番重要な要素です。そして病気の子のみでなく、元気な子のお世話にも必ず『気付き』は大切になるのです。(元気だからこそ・・・です)

動物のちょっとした変化に気付いてあげられる事、それが動物の命を救う事、元気でいさせてあげられること、に繋がるのです。そうです、獣医師だけでなく看護師も動物の命を助けられるのです。

仕草、行動、臭い、表情、顔色、眼の輝き、歩行、毛づや、動きの鈍さ、などなど、形にならない変化に気付くことで、早期の治療、対応が出来るのです。

 その『気付き』=『プロの眼』の力を活かして、皆様のペットのお世話に向き合っていきます。

お留守の間、飼い主様ご自身が見られないペットの様子を、ちょっとした変化にも気を配ってお世話させて頂きます。

 


 例えばこの2枚の写真の猫ちゃん、同じ子ですが、どちらが具合悪そうですか?

(この子はもう15歳なので、普段から寝ている時間も多いし、走り回ったりはしませんし、眼は慢性的に結膜炎です。)

 

 答えは左です。

毛並みがちょっと悪いし、眼がどんよりしています。(眼つぶっていますが)

お腹を触ってみるとわかるのですが、年令のせいもありお腹の動きが悪くなって、便の出がわるくて「お腹痛いよ」の顔です。

右は「ただ眠いだけ」の顔です。

そんな飼い主さまでも見逃しがちなちょっとした違いに気付ける、プロの眼をもったお世話が「プロフェッショナルなお世話」なのです。

 

 

『介護生活』

 

この子はかこちゃんです。

2ヶ月間、在宅酸素を借りて酸素室で頑張った子です。

この状態でもごはんを食べさせたり、水分補給したり、苦しくないように介護をしました。

口から食事をとる事が何よりも身体には大事なので、自分で食べられない子は、強制給餌をします。強制給餌には誤嚥させないことが,一番難しく、気をつけながらします。無理をして下痢、嘔吐をさせないこと。

ただ「生かす」のではなく、この子の生きたい力を助ける事、気持ちを読み取りながら生活させてあげる事・・・それが大切でした。

 

 

『日常生活のお手伝い』

 

病気を患っている子でも、生活の質が落ちないように、自尊心を保てるように、できる限り自分でできる事をしてもらって、できない事だけお手伝いをします。

この子は病気のせいで尿の出が悪くなったり、便が出なくなったり、出にくくなります。飼い主様がよく観察されているので、それを聞きながら、お手伝いするタイミングを見極めてご自宅に伺います。

みんながみんな、動物病院に行ける子とは限りませんので(病院に行く事が逆に過剰なストレスになりそのせいで具合が悪くなってしまう子がいます)、そんな子たちのおうちでのケアをさせて頂くのです。

できるだけストレスをかけないよう、普段からその子にお会いして、知り合いになっておくようにしています。また顔色や毛艶を視ていつもと比べて状態がどうかな、というのもわかります。